橋本治「双調平家物語」を読みました。
1巻からだと中国の話からスタートするらしいので、ズルをして保元の乱前あたりから読みました。
それが7巻。
どういう内容かといいますと
「男子を持つならば、見目よい者がよい。能でもない。才でもない。力でもなく勇でもない。知でもない。哀れが映える美貌がよい。さらにその上に、滑らかな声と艶やかな肌と、丸やかなる臀を持つ者がよい。勢ある人の寵を得て、娘以上に家を潤す。」
という巻でした。
摂関家を頂点とするガッチリ固められた秩序が
上皇や法皇の愛情あふれる自由な行動で崩れていく過程がわかりやすく。。
描かれているはずなのですが。
似通った人名が沢山出てくるし(ぜんぶ藤原や)
登場人物のひいじいさんのエピソードまで
しょっちゅう、ほんっとにしょっちゅう飛んでいくのですぐ迷路にまよいこむ私。
崇徳さんとコネクションを持ちたいと思った頼長は
崇徳さんの寵臣、藤原為通に目をつけて口説きにかかりますが
恋におぼこい頼長は軽くあしらわれてしまいます。
為通を、私ははじめ矢島健一さんを想像してたのですが(矢島さんは教長さんでしたね)。
「その八歳齢上の、
でっぷりと肥った近衛の少将を…」
ガーン
そういえば、頼長日記にみえるお相手、秦兼任はなかなか衝撃のビジュアル
頼長のお相手。藤原忠雅
そして頼長
そうか、太ってる方がいいのか。
平安時代に何を食ってこんなに太れるのか。米ばっかり食ってたのか?
もう似絵見ちゃうと戻れません。
脳内の頼長はすでに山本耕史ではなく、この固太りの頼長さんです。
ちゅーことは塚地はありなのね。ありというか。
どストライク。
家成さんが次男でありながら兄を押しのけて嫡流になったというのを先に他の本で読んだんですが、
その本では私いきさつがよくわかんなかったのです。
双調平家読んですっごく呑み込めました。
「娘がお主上に寵され、女御にでも成り上がった時、家内での娘の序列が問題にされることはない。女御にまで上った娘は、一家の長にも等しい。であればこそ、摂関家の父達は、実の娘に敬語を使う。しかるに、女子ならぬ者がその身を投げ出し、家内に幸いをもたらしながら、なぜに男子たる者は、その功を斥けられねばならぬのか。得るものばかりを得て、しかし功ある次男のありようを無にする父に対して、家成が憤るのは当然である。」
(ちなみに家成は大河では佐藤二朗)
家成さんは鳥羽ちゃんの力で父親を昇進させ、家格をじわじわランクアップさせていきます。
その甲斐あって家成の長男隆季は後に権大納言にまで昇進。
頼長が家成さんにぷんぷん怒ってた(「台記」)のはこういうことだったのかー。
秩序の破壊、のっかってる摂関家の屋台骨を家成たちがスカスカに蝕んでいったのね。
そのきっかけが、ご寵愛。
院政期すげぇ
おまけ
清盛
松山ケンイチに似ていなくもない。
崇徳院 うつくしい…。