つかみどころのない漫画です。
主人公は菌が肉眼で見えるという特殊能力のある男の子なのですが
彼の特殊能力で冒険譚、という太いストーリーが展開されるわけではなく
男子大学生のバカバカな生態を描写しながら
農業大学のこと、発酵のこと、お酒業界のことを詳細に教えてくれる
ガイド漫画のような・・・
教授はじめ何歳かわからないおじいさんたちが、何かを企んでいるらしいミステリアスな展開もあるのですが。
あっちこっち寄り道をゆっくりゆっくり、
というか寄り道がメインのように膨らんでる匂いもして
オチが全く想像できません。
オチあるのかな?
どこに連れて行かれるかわからない旅をしているようです。
物語を読んでいてこういう旅はいいものです。
ガイドをしてくれるのが可愛い菌たちで
ボツリヌス菌やO-157が「かもして ころすぞ かもし ころす」
とか言ってるのさえ可愛いのです。
あまりに可愛いのでこんな本も買ってしまいました。
アマゾンで。
内容的にはちと不満でした。
「てをあらおう」
菌たちがちょこっと手についているだけなんです。
なので手を洗って、菌が洗い流される感が薄い。
漫画みたいにびっしりうようよ描いてたら
洗わなくっちゃーという気持ちになるのに。
菌が体の中に入ると中でこんなことになってこんな悪いことを・・・という説明もなく。
「いただきます」
身近な発酵食品に菌が働いてますよという本なのですが
カタログ的に紹介しているだけで
醤油ひとつ、ヨーグルトひとつくらい、
どういう過程でそのものになるのかという説明があってもいいのになー出来るだろうに。
幼児向けに、極限まで単純にしてしまったということでしょうか。
ちびは喜んでいるので、5歳児的にはこれでいいみたい。
でも5歳児にだって、医学的なこと、科学的なことも理解できるよ?
この漫画を読んでから、菌たちがいとおしく、パンやみかんについた緑のカビを見ても
お風呂のメジについた黒いカビをみても
「あ、かもされた」とほほ笑んでしまいます。
菌のことを勉強してみたくなって、図書館で本を借りたり。
新刊なのに予約数0の本ばっかりです。
そしてもっと納豆やお味噌汁を摂らなくちゃ
と思うようになりました。
なんと20年ぶりにぬか漬けなんか始めてしまいました。
弁当箱大の小さいタッパしかないので
かき回すたびにぼろぼろ糠が落ちていきます。
楽しいんだけどそれがストレスです。