たまうさぎ

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「権記」と「台記」

藤原行成という人が書いた日記「権記」(ごんき)現代語訳というのがあったので
(なんと上中下3巻だ)
上巻だけ読んでみました。




有名な道長さんが信頼していた能吏だったそうで
まあ詳細で真面目で、面白エピソードほとんどありませんでした。
目を引いたのが「物忌(ものいみ)であった」という記述。
ほぼ十日置きに出てくるので平安貴族は週休2日ならぬ、
8日出て2日休む体制だったようです。

他に悪夢を見たら物忌とか、かっこうのズル休みの口実ですね。
行成さんは真面目なので多分ずる休みはしていませんが、
「物忌なので出られません」と言っても「それでも来るように」と道長に強要されていました。
行成さん便利だったんだろうな。。

幼い我が子が亡くなる寸前に、家を飛び出しさなければいけないというのも
現代の私たちからしたら、奇妙な風習でびっくり。
穢れてしまうと、出仕が出来ないから・・・なんでしょうね。
切ないです。


貴族日記のなかで、こんなに真面目なのも特異なのかもしれませんが、
やはり男とどうしたこうしたとメモっていた頼長の「台記」は
飛びぬけておかしい存在なんでしょうね。

読みたいんですが、現代語訳がなく売ってる本は何万円もして買えず、
図書館で借りることもできず(何万円もする本は持ち出し禁止)
かといって漢字しか書いてない本を図書館で短時間読んでもわからんし。
ネットや研究書などから拾い集めた記述だけですが、面白く、かつ
下品でないところを書きます。


  僕少年養猫有疾即画千手像祈之曰請疾速除癒
  又令猫満十歳猫即平癒至十歳死(裏衣入櫃葬也)

子どもの頃飼っていた猫が病気になったので
千手観音の絵を描いて10歳まで生きさせてくださいとお祈りしたら、
猫の病気はすぐに癒えて10歳まで生きた。(布にくるんで棺に入れて葬った)


  今春、中門軒廊際、雀生子、其子成長、有斑毛、常飛来此亭、衆欲取之、不得、
  左近府生秦公春取之献余、見之、頭及上喙羽白、背如常雀、足赤、愛賞殊甚

この春、中門軒廊の際にスズメの子が生まれる。其の子成長し、羽の模様がまだらである。
よく家に飛んでくるが、誰も捕ることができない。左近府生秦公春が捕まえて、余に献じる。
観察すると、頭と上嘴の羽は白く、背中は普通の雀、足は赤い。殊に甚だ愛らしい。


与と公春囲碁をして与が勝ち、公春馬を献じる。
(その十日後の日記)
与と公春囲碁をして公春が馬を賜る。

  与公春囲碁余勝公春献馬
  与公春囲碁公春賜馬   
(公春勝とは書かない)


   卯刻夢中謁公春  
卯の刻、夢で公春に会った。

公春死後の日記。行間ににじみ出る寂寥感とちょっとだけの幸福感。


なんだかとっても、感情むき出しで純粋。

厳しすぎる仕事ぶりや気性の激しさとの、
コントラストの鮮やかさが魅力ですね。

公春公春とさかんに出てくるのは頼長のSPで、
人殺しを命じたり、家成邸を襲撃させたりしております。
彼が病気だったため頼長しょっちゅう平癒祈願しておりますが、
頼長31歳の時死亡。
あまりのショックで左大臣、長期間職場放棄3カ月。。

ドラマ15話に一瞬出てきた公春はなんか怖かったです。ブルブル

ドラマでもヒストリアでも「きみはる」と読まれていましたが、
きんはる
じゃないのかな。公のつく人はきんよしとかきんざねとかですもん。
で、もしかしてきんぱるだったりして!
能の家に金春(こんぱる)流ってあるから、「ん」の次の「は」は「ぱ」?
などとどうでもいいことを考察しているのでした。
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by kokiti01 | 2012-06-21 01:24 | 読書 | Comments(0)